この1週間の都道府県別ワクチン接種の進捗

首相官邸ホームページにワクチン接種のコーナーがありますが、都道府県別の医療従事者と高齢者のデータも掲載されており、毎月曜日に更新されているようです。(接種数だけで接種割合のデータはありません)5月30日から6月6日までの1週間について、どの程度ワクチン接種が進捗していたのか調べてみました。そもそもこれを調べたいと思ったのは、先日5月16日時点での都道府県別高齢者への接種率を調べてみたところ、緊急事態宣言地域や蔓延防止等重点措置地域が軒並み全国平均を下回る接種率でしたので、その後どのように改善されたかをフォローしたいという理由からです。

まず5月16日時点の高齢者への接種数のデータを示します。この時点で完全接種者は極めて少数でしたので、ほぼ部分接種者(1回目終了者)とみなしてかまわないということで、接種数でグラフを作成しました。また高齢者人口については、平成27年の国勢調査結果から計算しました。

全国平均値は、中央付近の水色の棒で2.93回/100人ということになりますが、多くの緊急事態宣言地域(赤色の棒)や蔓延防止等重点措置地域(黄色の棒)が全国平均以下にあることがわかります。

これを踏まえて、5月30日と6月6日の部分接種者率を見てみましょう。

全国平均の推移をみると、5月16日の2.93%(ただしこれは接種回数)に比べて、5月30日時点が13.9%、6月6日時点が24.2%と大幅に進捗していることがわかります。特に著しい進捗を示したのが岡山県で5月16日では1.33%だったものが、5月30日では20.5%、6月6日では37.1%と大幅な進捗をみせています。そのほか愛知県や東京都、福岡県なども大幅に順位を上げています。東京の場合は、大規模接種会場の設置などが寄与していると思われます。

一方で、兵庫県や、神奈川県、北海道などは低位に低迷しています。大阪もこの間の順位はほぼ同じです。次に完全接種率を見てみましょう。

完全接種率については、残念ながら、緊急事態宣言地域や蔓延防止等重点措置地域の大幅な改善がみられていません。これは当然で、5月16日から6月6日まで3週間しかなく、これがちょうど1回目と2回目のインターバルに相当するため、その後の大幅な進捗が、まだ反映されていないと考えられるからです。

また、これを見て沖縄県は結構ワクチン接種が進んでいるのに感染が収まらないではないかと思われる方がいるかもしれませんが、ワクチン接種が感染拡大抑制効果をもつためには、完全接種率が40~50%程度が必要と言われています。医療従事者に加え、高齢者への接種が完了しても接種率は30%にも達しません。さらに10%以上の上積みがあって初めて所期の効果が期待できるのです。だからこそ政府がシャカリキになってワクチン接種を推進しているのですが、緊急事態宣言地域や蔓延防止等重点措置地域への接種が全国平均よりも遅れているケースが目立つのは、なんとも気になります。

5月30日から6月6日の間の緊急事態宣言地域や蔓延防止等重点措置地域対象都道府県の部分接種率と完全接種率の増加%を示します。

増加%が全国平均よりも低いところ(グレー色)がかなりあります。感染の深刻な都道府県にこそ、接種を急ぐべきと誰もが思うところでしょうが、簡単にいかないのは、やはり(高齢者)人口の多いことによる手続きの煩雑さが要因であろうと想像されます。接種を推進するため、新たな促進策として職場や学校といった接種対象単位の提案が出ていますが、大企業だけでなく中小企業にも接種ができるような具体的支援策を提供してもらいたいと思います。