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かんとこうブログ

2024.03.26

確かに正論かもしれませんが・・OECD対日経済審査報告書 その1

2024年1月10日付けで、OECD(経済協力開発機構)が「対日経済審査報告書」を発表していました。おおよそ2年前の2021年11月にも同じ「対日経済審査報告書」を発表しており、その内容を当ブログで紹介しておりましたので、今回も同様にご紹介したいと思います。前回も遠慮なく日本へ提言と言う名の勧告もどきのことを言っていましたが、今回もずいぶんとたくさんの「提言」をしてくれています。このOECDの報告書は原文が英語ですが、日本語版が用意されていますので、日本語版でご紹介しますが、ニュアンスは多少英語版と違っているようにも思います。

ともあれ「プレゼンテーション資料」と「報告概要」とから引用して内容をご紹介し、そこに「提言」の本音を私見で翻訳してみたいと思います。

「報告概要」と「提言」は四つの課題にわけられています。最初の課題は「ショックに対するレジリエンスを高める」です。発表スライドのタイトルとそれに対応する提言、さらにスライド抜粋と言う形でご紹介します。

①から⑧までのスライドは日本の経済に関する報告と提言です。黒字はスライドのタイトルで多くはどこかで見たことがある内容ではないかと思います。青字がそれに対する提言となります。ざっと読むとなんでもないようですが、結構大変なことが書いてあります。青字を超要約すると、「いつまで異次元金融緩和をやっとるんじゃ、はやく利上げせんかいな!海外の金利が上って大変なことになるやで、気いつけなあかんわ。このままずっと借金増やし続けるのはあかん、実現性のある健全化をはようにつくらんかいな!大体、医療費がかかりすぎや、入院期間が長すぎや。消費税を小刻みにどんどん上げて欧米なみにせなあかん。コロナ禍のどさくさで補正予算ぎょうさんつこて、まだそのまま引きずっとるやないか!」と私には聞こえました。
先日日銀からマイナス金利解消が発表されましたが、果たしてこのOECDの声が聞こえたかどうかは定かではありません。
  
指摘をうけたうちで、入院日数に関する資料と消費税率に関する資料のスライドを下に示します。平均入院日数はOECD中ダントツの28日ほど、消費税率は下から2位タイです。
   
    
続いての課題は「生産性を 飛躍的に 向上させる 」です。スライドともにご紹介します。
   
   
生産性指標である単位労働時間あたりのGDP(左図)ではOECDの平均を下まわり、全体に対する中小企業の研究開発費割合(右図)ではわずか6%と各国中最低でした。これに対し3つほど「提言」が出ています。これを超要約すると「もっとイキのええ有望な企業を応援したれよ。既存の中小企業ばっかり可愛がったらあかんのや。ついてこられへんとこはもう退場してもらうしかないで!」と聞こえました。
   
次の課題「人口動態の 逆風を 抑制する」からは明日掲載いたします。

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