男女格差は政治格差!?

先日2020年の男女格差に関する世界経済フォーラムのレポートが発表され日本は2018年から11位下落して121位(153か国中)ということが報じられていました。以前から一度この中身を知りたいと思っていましたので、世界経済フォーラムの報告書を読んでみました。今日はその内容をご紹介します。

この報告書全部で370ページもあるのでとても全部見れませんでしたので、冒頭の総括部分についてご紹介するにとどめますが、なかなか興味深い内容でした。この男女格差ランキングは経済、教育、健康、政治の4部門の格差指数(1が満点、0が最大格差)の単純平均で総合ランキングが決められています。

WEF_GGGR_2020.pdf (weforum.org)

さっそく日本のランキングと4部門の格差指数をみてみましょう。

日本に位置は153か国中121位で格差指数は0.652です。上位の国(左側には、北欧など先進国と思しき国々がならんでいますが、右側の日本の前後では、アフリカ、アジア、洋上の島国などが多いようです。それではどうしてこのような順位になるのかを見ていきましょう。

これは日本を含む9か国について、4部門(経済、教育、健康、政治)のそれぞれの指数と総合指数についてグラフ化したものです。4部門のうち教育と健康については、どの国も男女格差はほぼほぼなくなっており、大きな差はありません。差が出ているのは、経済と政治であり、特に政治の指数が他に比べて著しく低くなったいることがわかると思います。総合指数は4部門の指数の単純平均ですから、総合指数は経済と政治で決まると言っても過言ではありません。

それでは経済と政治指数の中身は何なのでしょうか?経済は、上級職、管理職のおける男女割合、その収入比率、経済活動に対する権利の格差などのようです。政治は、国会議員の女性比率、大臣の女性比率などで決まるようです。

もう一度上のグラフを見てください。総合指数は経済と政治で決まると言いましたが、さらによく見ると最も相関があるのは政治であることがわかります。これが表題の「男女格差は政治格差」の意味です。

この報告書には、全部の国にまでは個別にコメントしていませんが、主要国には丁寧に(?)コメントしています。日本についてのコメントを全文掲載しますので読んでください。

ちなみに左の表は、東アジア・太平洋地域における総合指数です。日本はこの地域でも20か国中18位となっています。そうした位置にある原因はこれまで見てきたように経済と政治で主に政治の比重が大きいようには思いますがここのコメントをみると、経済で大幅に改善するのも難しいように思いました。

意外であったのは、経済のところで、家庭内無報酬労働(すなわち家事)に費やす時間の割合について触れられており、先進国の中で女性の家事負担が多い国として日本が名指しされていたことです。女性議員だけ、女性大臣だけ増やせばよいというのではなく、家庭の中かから変わらないとこうした男女格差は縮まらないようにも思いました。日本人としては指数の決め方に理不尽さのようなものも感じますが、それがそもそも世界の非常識なのかもしれません。オリンピック組織委員会会長の発言に対する海外の見方は大方の日本の予想以上に厳しいものでした。厳しい見方の背景には、政治だけでなく、経済においても(家庭においても)男女格差と取り組んできた歴史があり、厳しすぎるという反応がそもそも世界とずれているのかもしれません。