「屋外でマスク不要」の根拠を示せ!

昨日官房長官が、「屋外で十分に距離が確保できるのであればマスクは不要である」という趣旨の発言をしたと報じられました。東京都医師会の会長も「屋外は感染リスクも低いのでマスクの着用を見直してもよいのではないか」と発言したとの報道もありました。これから温度湿度とも上昇する中で熱中症の危険性などを考慮しての発言だったと思いますが、果たして状況はそれが言える状況にあるのかを検証してみたいと思います。東洋経済オンラインのデータをお借りして全国と主要都道府県の実効再生産数を見てみたいと思います。

大まかに言えば、横軸で示されている3月初めからの2か月間どの都道府県もほぼ横一直線であり、決して感染が収束に向かっているわけではないということです。こうした中での発言は、「もう感染は大丈夫なのだ」という誤ったメッセージとして伝わることになりはしないかと懸念します。

確かに下図で示すように、要入院治療者、重症者、死亡者は3月に比べて減少していますが、検査陽性者は減少していると言い難い状況です。無症状や軽症であれば感染してもよい(医療に負担がかからなければ良い)と考えているなら別ですが、もう制限を緩和していく状況にあるのだという根拠を説明するべきだと思います。

もうひとつ政府に苦言を呈したいことがあります。それは首相官邸ホームページのコロナワクチンサイトに掲載されていたワクチン歴別感染者数のデータが掲載されなくなったことです。3回目ワクチン接種の効能についてこれほど説得力のあるデータはなく、その割には活用されていないと常々不満だったのですが、4月4日~10日のデータを最後に更新されなくなり、ついには姿を消してしまいました。昨年の夏から秋にかけて掲載されていた時は、感染者数の減少に伴い更新されなくなりやがて消えました。しかし、今回は感染者は減少していないのです。やめてしまう理由が理解できません。

ご参考までに現時点の最新のデータである4月4日~10日このデータを使ってワクチン歴別年代別10万人あたりの感染表すと以下のようになります。

一瞥してワクチン接種者の感染者が少ないことが理解されるでしょう。しかも2回目接種者、3回目接種者とも年代別でみると若年層の感染者が多いことも明瞭です。このことは、感染についてはワクチン接種歴と行動内容の二つの支配要因があることを表しています。

このグラフをさらに表にしてみました。

左の表は人口10万人あたりの感染者数で、右は未接種者を100とした時の2回目、3回目接種者の感染者数の指数です。3回目接種をすると未接種者に比べて少なくとも2割程度までは感染者数が減少することがわかります。

一方で3回目ワクチン接種の実施状況はといえば下図のごとく、若低高高(若年層が低く高齢者が高い)です。ただでさえ3回目接種をしても高齢者よりも感染者の多い若年層が、3回目接種率が低いのです。新規感染者の中での若年層の割合が高くなるのは当然と言える結果です。

今やるべきは、屋外マスクの不着用を容認することではなく、若年層の3回目接種の促進することです。どうしても屋外でのマスク付着用を言いたければ、3回目接種に限りと条件を付けるべきではないかと思います。