経産省速報と日塗工業況観測アンケート・・3月の塗料出荷数量など

本日日塗工より経産省速報と業況観測アンケート結果3月分を同時に受領いたしました。本来であれば日塗工の業況観測アンケートが先に公開されるのですが、今月はアンケートの回答提出が遅い会社があったために月末の今日になってしまいました。

この二つの統計ですが、経産省速報の方は実績値で生産数量、出荷数量についての統計であるのに対し、日塗工のアンケートは、需要区分別の出荷数量と金額に対する統計で、統計の対象範囲も異なります。従って単純に比較しても意味がないのですが、同時に受け取ると比較したくなります。

経産省の速報の概要は、3月の生産数量(溶剤型塗料と水系塗料の合計値)が81,419トンで前年同期比が96.6%、出荷数量が82,614トンで前年同期比が95.1%でした。

一方の日塗工の業況アンケート3月の出荷数量が97.4%、出荷金額が100.2%という結果(いずれも前年同期比)でした。こちらの方は需要区分別の出荷数量と金額の数値が得られるのが特徴です。

この二つの結果において比較できるとすれば、唯一出荷数量の前年同期比のみが可能であり、経産省速報が95.1%、日塗工業況観測アンケートが97.4%という結果でした。これは調査対象や集計項目が異なるので一致することは無理であるともいえるので、両者とも「今年の3月は昨年の3月よりも少ない生産量であったことを示している」というくらいしか言えないのも仕方がないことだと諦めております。

さて、日塗工の業況アンケートに話を戻して3月の生産・出荷状況をご紹介します。組合員の皆様には月末文書に同封して本日発送いたします。また日塗工のホームページにも掲載されていますので詳しくはそちらをご覧ください。この1年ほどの結果の一覧を下表に示します。

一番右の欄、全体では前年同期比が100.2、前々年同期比が104.2といずれも100を上回りました。一見コロナ前に戻った、経済回復と思われがちですが、実は前々年(2020年)の3月はコロナが本格的に拡大する前ではあることは確かなのですが、2019年10月の消費税増税の影響をうけて前年同期比が95.3(経産省確報値)だったのです。単純計算では2020年3月比で言えば100に達しません。このあたりの話は後ほどすることにして、各需要分野別の推移をリーマンショック時と比べて示します。

毎回のように書いていますが、需要分野別の推移をみるとコロナ禍が始まって以来、リーマンショック時と似たような推移になっていることがわかります。2020年4-6月の大きな落ち込み、その反動での2021年4-6月の大きな上昇を経てようやく平穏にもどろうとしている感があります。

このように大きな変動がある場合には、単純に前年同期比を見ただけでは需要の動向が判断できず、そのために前々年同期比も参照すべきとも主張してきました。ただ、コロナ禍が始まってかすでに2年が経ち、その前々年同期比もそろそろ考え直す時期にきています。上のグラフでコロナの2020年4月(起点から3か月後)の時点に注目してもらうと、すでに大きな落ち込みが始まっているからです。ともあれ、今回が最後になるかもしれない前年同期比と前々年同期比の対比グラフを下に示します。

前年比と前々年同期比の乖離が解消された言える状態がしばらく続いています。今年に入ってからは前年同期比で需要動向を判断しても大きな狂いはないのではないかと思われる状態です。一方で、2020年の前年同期比、前々年同期比を見ると100からは大きく乖離しており、このまま4月以降も2020年のデータを使って計算した前々年同期比を平年比のように扱うのは問題があると思われます。

こうした状況ですので、来月以降については前年同期比と平年比(例えば2015年から2018年の平均)と比較する形にしようかと考えています。来月は試行結果をご紹介できればと思っています。