2022年4月改訂世界経済見通し・・戦争が経済回復を抑制する

昨日は失礼をいたしました。IMFの世界経済見通しの4月改訂分をご紹介します。引用元は下記URLです。

https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2022/04/19/world-economic-outlook-april-2022?msclkid=a83002e8c5bc11eca32f7f7f680e302c

IMFレポートの表題は、掲題の後半部分「戦争が経済回復を抑制する」でした。まさにこの間の大きな情勢変化とその影響を端的に物語っていると思います。1月時点で推測であった2021年の経済成長が実測値となり、全体で0.2%上昇しました。しかしながら、2022年はウクライナ侵攻の影響を受けて、ほぼすべての国や地域で下方修正され、先進国で-0.6%、新興国&途上国で-1.0%引き下げられました。ウクライナ侵攻の影響は2023年の予測値にも及び先進国で-0.2%、新興国&途上国で-0.3%引き下げられました。(下図)

地域別にみても得ウクライナ侵攻の影響はすべての地域に及んでいますが、中東と中東アジアは若干のプラス方向への変化となっており、その背景はエネルギー価格の上昇が推測されます。

このウクライナ侵攻の各地域への影響はIMFブログの中にも触れられており、下図に要約されています。図が不鮮明でしたので書き直しました。

年間成長率が世界で0.8%下方修正された内訳が左図で、ロシアが-0.35%、EUが-0.2%、その他が-0.25%とやはり当事国であるロシア経済の減速が大きいとしています。一方右の図は経済カテゴリー別の年間成長率と修正幅が判るわけですが、1月改訂分から4月改訂分にかけて2022年の成長率が引き下がる中、一次産品輸出国(ロシア除く)だけが上方修正されています。これは先ほど中東および中央アジアで見られた現象と同じく、エネルギー価格の上昇が主要因と思われます。

最後に国別のGDP成長率を示します。1月改訂分とともに表示していますので、4月改訂分との差、すなわちウクライナ侵攻の影響度合いを推測することができます。最も大きな影響受けるのは当事国であるロシアですが、次いでヨーロッパになります。一方でサウジアラビアに代表される一次産品輸出国は影響がプラス側に出ています。

正直な印象で言えば、ロシアはともかく、経済成長への影響はそれほど大きくないように感じます。G7+1の中では最も影響が大きいとされたドイツでも1%程度のダウンで済んでしまうと予測しています。昨日は、ウクライナ侵攻を契機とした円安の影響が心配だと書きました。この4月改訂版をまとめてみてもその不安感は拭えません。世界が金融引き締めに向かう中で金融緩和を続けざるを得ない日本と為替の行方に憂慮は続きます。