環境関連ワードが頻出したP&CJ 2022年新春特集

2022年1月5日付のペイント&コーティングジャーナル紙に掲載された塗料関連企業のトップの年頭挨拶から塗料製造会社のトップの発言内容についてまとめてみました。全体の総括としては同紙の表紙にまとめられているように、原材料の高騰と円安によるダブルパンチへの対応、加えて脱炭素への動きに象徴される環境対応が塗料・塗装業界における大きな課題であり、こうした課題からの圧力をむしろ追い風とし、技術革新による塗料および塗装の革新が進むことが期待される状況にあるということになろうかと思います。

それでは、上場会社を中心とした製造会社のトップの新春特集のまとめをご覧ください。

基本的にすべての方が環境問題にはなんらかの形で触れられています。DSGsやESG、カーボンニュートラル(脱炭素)、サステナビリティという言葉も多く出されています。そうした中で具体的に塗料と塗装の課題に言及していたのが、神東塗料の高沢社長で、焼き付け温度の低温化について言及されていました。

また日本特殊塗料の遠田社長からの「AIを製品設計に活用」というのは驚きました。ニュアンス的には塗料の開発ではなく、自動車用の制振材や吸遮音材の開発のように感じましたが、塗料にも展開できればよいなと思いました。例えば耐候性のシミュレーションであれば、顔料と樹脂の暴露データがそろっていればある程度可能なのではないかと思いました。

さらに自社の伝統や強みを活かしたいというカシュー(バイオ塗料)や菊水化学工業(水性・無機)や、自社の専門領域で活路を見出したいイサム(車両補修)の方向性は納得性があります。

続いて上記以外の製造会社について、同紙がつけた見出しのみご紹介します。

これらの見出しからも、現在突き付けられている課題に対し、なんとか活路を見出したいという各社の戦略が示されているものと思います。これまでと違うやり方で、他社とは違う方向性で、環境圧力を逆手にとってそれぞれのやり方でこの難しい時期を乗り切ろうとしています。

とここまで書いてきて、方向性はおおよそ定まったとして果たして将来への展望は開けているかという疑問があります。それはCO2排出に関する目標達成へのロードマップです。塗料業界にとって2050年CO2排出ゼロの目標は、根源的な変革を必要とするものでありこれまでの延長線上で達成できるものではありません。当面の目標となる2030年の目標である2013年度比46%減でさえ、塗料業界にとってみればあまりにも高い目標であると思われます。それにしてもまずは、日本の塗料・塗装業界が塗料の製造、塗装、被塗物の廃却においてどれだけのCO2を排出しているのかを把握したうえで、2030年にむけたロードマップを作成する必要があるのではないでしょうか?

2030年まではあと8年しかありません。業界が協力してこの問題に着手すべき時が来ていると思われます。