原材料はまだ高騰中か?

年末にあたり、塗料業界にとって最も気になっている原材料価格動向について「世界経済のネタ帳」を中心に無料のサイトで調べられるものという条件で手に入るものをご紹介します。データは基本的に2018年1月から2021年11月までの期間における価格変動です。それでは原油から見ていきましょう。

「世界経済のネタ帳」:各グラフにURLを記載

左が1980年から2021年までの推移、右が2018年以降の推移です。原油価格は、WTI(西テキサス)、ドバイ、ブレンドと3種類あるのですがどれも大差ありません。2020年に大きく落ち込んで以来上昇の一途をたどり、すでにコロナ以前水準を超えています。この間為替も変動してはいますが、109円プラスマイナス5円の範囲内ですので、原油価格の変動幅に比べれば大きくはありません。最近にきてガソリン価格がわずかに下降していることが報じられているように、11月は前月よりも価格が少しだけ下落しています。

現在の原油価格のレベルが過去最高なのかというとそうではなく、2010年から2013年には1バレル100ドルを超える時代がありました。現在の価格水準はその頃に比べればまだ低いとも言えます。次にナフサを見てみましょう。

このナフサのグラフだけ「世界経済のネタ帳」からの引用ではありません。ナフサ価格は基本的には原油価格に連動しているのですが、国産ナフサは10月までのデータなので上昇傾向継続中、一方MOPJ(ナフサの東京到着価格)は11月に一旦大幅に値を下げましたが、12月は再び上昇、ただし10月の水準に及ばないという状況です。このままであればこの先緩やかに下降していきそうには見えます。

それでは金属の価格はどうでしょうか?塗料の原料で使用される顔料には金属酸化物もかなりあります。ただ、普通は金属に精錬してから酸化物にするわけではないので直接に関係するかという議論はあると思いますが、なにがしかの関連はあると思っています。

この4つの金属、これらは金属、酸化物、亜酸化物などの形で塗料に使用されていますが、いずれも昨年来価格上昇が続いてきましたが、アルミニウムと亜鉛は11月に少し下落しています。銅は横ばい、錫は上昇継続中です。

次は塗料との直接の関係性は乏しくなりますが、間接的には関係するであろうものの価格推移です。

上の二つ、木材と天然ゴムは塗料の原材料としてではなく梱包や輸送の資材としての観点から、石炭と天然ガスはエネルギー源として輸入原料への影響という観点からグラフを載せてみました。言いたいことはいずれも昨年来価格高騰が続いているということです。最後に今度はもう少し塗料に近いものの価格推移をお見せします。

菜種油とパーム油は植物油の代表として、鉄鉱石は容器の材料の原料としての観点からグラフ化しました。油は昨年来価格高騰が続いていますが、鉄鉱石は今年に入ってから2020年前半の水準にもどってきています。

こうしてみてくると、ようやく原油価格が下がり始めました。これに伴いナフサ、亜鉛、アルミ、石炭も下がり始めています。一方で植物油や錫はまだ上昇中です。この先についてはやはり感染症の影響が相当あると思われますので、しばらくは注視していく必要があります。

とここまで書いたところで、日銀の企業物価のサイトでもっと直接的に原材料価格の推移が示されているところを見つけました。今日はすでに相当長くなっていますので、ここで終わりとし、新年の最初の掲載日に、日銀サイトの情報をご紹介することにします。

ことし1年ご覧いただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。皆様どうかよいお年をお迎えください。