回復への道遠し、10月の業況観測アンケート

先週の金曜日に日塗工から10月の業況観測アンケートの結果を受領しました。結果を下表に示しますが、全体の前年同期比が94.0と厳しい数字となりました。前年同月は、コロナ禍の大幅な需要低迷から立ち直り、ほぼ前年並みに塗料需要も回復した月であることを考慮に入れても、対前々年比で見ても91.6と厳しい数字であることは否定できません。

分野別では前年同期比で100を超えたのが建築外装と電気・機械・金属の2分野のみでした。前々年同期比となると、100超えは建築外装のみとなります。特に自動車は、半導体・部品不足の中で生産が落ち込んだことをうけて、前年同期比で77.2%、前々年同期比で79.6%と低迷しています。

自動車とは別の形で心配なのは、船舶・構造物です。上表からもわかりますように、ここのところずっと前年同期比を下回っています。この9月にわずかに100を超えましたが、その前に100を超えた時期を探すと2020年の3月にまで遡らなければなりません。これほど長い間前年割れが続いています。

今年度上半期は、前年の低迷の反動で随分と需要が回復したような印象を受けますが、前々年同期比でみると決して平年並みに回復してるわけではありません。下の図は前年同期比と前々年同期比の対比ですが、今年度上期で見ると赤線の前々年同期比は100に達した時期がとても少ないことがわかります。

ただここへきて、気になっていた前年同期比と前々年同期比の乖離が解消しつつあります。これは、基準となる前年の数値が回復モードに入った時期のものになってきているからです。

また、昨年来継続して紹介してきたリーマンショック時とコロナ禍の比較のグラフですが、基準時点から21か月まできました。

全体としての類似性に特に変化はありませんが、気になるのは以下の2点です。ひとつは少なくとも15か月頃まではリーマンショック時の方が低迷の度合いが大きかったのですが、それが反転してコロナ禍の低迷が大きくなっています。コロナ禍の場合、需要低迷は感染状況によるところが大きいのでしょうが、リーマンショック時よりも回復が遅れることが懸念されます。二つ目はこのところの自動車用の低迷です。リーマンの経過からも大きく離れてしまいました。これはもちろん、半導体、部品不足の影響ですが、事態の長期化が懸念されます。

感染状況はこれまでにないほど好転してきています。この状況が維持され、一日も早い経済回復が進行するよう祈ってやみません。