日本ペイントHDの第3四半期決算

昨日は、日本ペイントHD以外の日本の塗料製造上場会社の決算をご紹介しましたが、本日は日本ペイントHDの第3四半期決算を、明日は世界のTOP3の第3四半期決算をご紹介したいと思います。日本ペイントHDもTOP3も第3四半期のみの数字と第1~第3四半期までの累積の数値を分けて報告していますので、その形に添ってご紹介することにします。データは同社のHP(下記URL)からご覧になれます。

https://www.nipponpaint-holdings.com/assets/files/name/20211112ir02_j.pdf

まず第3四半期単独における地域別の売上と営業利益の一覧表からです。

日本ペイントHDは、買収などによる企業体の変化による影響を除いた形で実際のオペレーションの状況を明確化する目的で、短信ベースと実質ベースの2種類の数値を発表しています。実質ベースの方が実際の商売の状況が的確に把握できると思われますので、実質ベースの数字で見ていくことにします。

第3四半期を一言で言えば、「増収・大幅減益」です。原材料の高騰が収益をおおいに圧迫した3か月であったということです。営業利益の圧迫はすさまじく、全地域で前年比大幅減となりました。最も減益幅が大きかったのは日本でした。日本とアメリカでは、売上も前年比減となりました。

こうした第3四半期における「増収・大幅減益」傾向は世界のTOP3でも全く同じです。急激な原材料高騰が世界的なものであったことを示しています。

第1~第3四半期の累積数値について見ると、その様相はだいぶ変わってきます。第1~第2四半期の貯金がありましたので、累積での減益幅はかなり縮小されています。それでも中国を含むアジアの営業利益では若干の前年比マイナス、日本の営業利益では二桁の前年比マイナスとなり、最終的には全体の営業利益でも5.2%の減益となりました。

地域別の売上/営業利益(第1~第3四半期の累積値)の前年比についてグラフ化してみました。実質ベースと短信べースの2種類書いてみました。

実質ベースでみますと繰り返しになりますが、最もボリュームの大きい日本とアジアで営業利益が前年比減となったため、全体でも前年比減となりました。売上については、累積で前年比19.8%増と順調に増加しています。中国を含むアジアの売上増の効果が大きく表れています。

地域別分野別の売上数値もデータがありましたので、グラフ化してみました。(営業利益は分野別全体の数値しかありません)

左が第3四半期のみ、右が第1~第3四半期累積です。第3四半期の自動車用塗料は世界どの地域も大幅な減収となりました。半導体不足、部品不足の影響が全世界的に起きていることを明確に表しています。右の累積については、中国の汎用、工業用がしっかりと売り上げを伸ばしているのが印象的です。

最後に第3四半期と第4四半期の分野別市場環境について、プレゼン資料から図を引用してご紹介します。

第3四半期において、自動車は世界的に軟調、建築は地域によって通常から好調まで分かれるものの、中国市場では市場対比の業況は上向きであるという評価でした。第4四半期の予測としては基本的には第3四半期と変わらず、自動車は世界的に軟調、建築は通常からやや好調といったところで推移すると予測しています。

通年の数字につきましては、今回は変更せず、そのまま据え置きとなりました。売上収益1兆円、営業利益850億円です。ここから引き算をする形で第4四半期の予想数値を出しており、売上収益2637億円、営業利益133億円を予想値としています。2020年の第4四半期の実績は売上収益2160億円、営業利益238億円でした。また直近の第3四半期は短信ベースの売上収益が2545億円、営業利益が173億円でした。

通年の数字が大変慎重に据え置かれたような気がします。第3四半期こそ原材料価格高騰と自動車需要の低迷に苦しみましたが、基本的に中国でのオペレーションは躍進を継続中であり、適正な値上げを実施して、余裕で目標を超過達成するのではないかと予想しています。

明日は世界のTOP3(Sherwin Williams, PPG, Akzo-Nobel)の第3四半期決算をご紹介します。