7月確報と8月業況アンケート

今日はほぼ同時に7月の確報と8月の業況観測アンケートを受領しました。この両者の結果をまとめてご紹介します。日塗工からのレポートはすでに組合員にFAXで送信済です。

経産省の7月分確報については、下表に示すような状況でした。(ただし溶剤系塗料と水性塗料の合計のみ)

シンナーなども含めた全体では、前年同期比が生産数量で108.1、出荷数量で109.1、出荷金額で108.7と好調のように見えますが、これは昨年の7月がコロナ禍で需要低迷であったためであり、FAXでお知らせしたように、前々年同期比は生産数量89.6%、販売数量92.2%に過ぎません。経済回復はまだ先という感じがします。

これまでは業況観測アンケートでしかご紹介してきていませんが、経産省の確報についても今年の4月頃より、前年同期比が前々年同期比から乖離をしてきています。経産省と日塗工とでは、調査の対象範囲が少し異なっていますが、乖離の傾向はほぼ同じでした。ここ1年間の前年同期比と前々年同期比の数値、およびその様子を下表と下図に示します。

コロナ禍により大きく需要が落ち込んだ昨年4~8月の実績の反動で、今年の前年同期比が実態以上に大きな数値になっています。前年同期比では3月以降連続して100超えですが、前々年同期比で見た場合には、今年になってから100を超えたのは3月と6月の2回しかありません。

こうした状況は残念ながら、日塗工の業況観測アンケート8月分にも引き継がれており、実質的に8月は7月よりも需要が落ち込んでいると思われます。

8月の観測値では、船舶・構造物を除き、前年同期比が前月を下回りました。6月から見ると2カ月連続の下降です。前年同期比そのものは、船舶・構造物を除き100を超えているのですが、前々年同期比となるとすべての分野で100を下回りました。先月同様に、全般に前年同期比はプラス、前々年同期比はマイナスです。

上述したように、コロナ禍から 1 年を経過して、前年同月比と前々年同月比の乖離が続いています。この現象は、早くても昨年の前年同期比が100付近まで復活した10月が前年同期となるまでは続くであろうと思われます。乖離幅については、当然ながら昨年の落ち込みが大きかった分野程激しく、特に自動車用塗料で顕著であり、かつ半導体不足による生産の停滞の影響が見えます。(下図)

最後に、ずっと続けてご紹介しているリーマンショックと今回のコロナ禍の対比のグラフをお見せします。

全体として前年同期比の推移が、リーマンショック時とよく似ていることには変わりありませんが、先月同様、気になるのが自動車はじめ工業用で再び下降しだした時期がリーマン時よりもわずかに早いことです。来月は、8月後半以降の感染収束方向への動きを反映して、塗料需要も復活方向へ転換することを期待します。