ワクチン供給についての検証

ブログ更新の頻度を落とすといいながら、相変わらず書いております。やはり様々な報道の中で気になることがあって確かめずにいられない性格なもので、調べたらその結果は紹介したくなるという具合で今日も書いているということです。

今日確かめずにいられなかったことは以下の二つです。一つ目は河野ワクチン担当大臣と菅総理が言っている「高齢者に対する接種は7月末で完了した」ということが本当にそうだったのか、二つ目は菅総理が言っている「10月初めには12歳以上の希望者すべてにいきわたるワクチンを配付する」ということが可能かどうか、です。

一つ目の高齢者に対するワクチン接種は7月末で完了したのかどうかですが、どうもこの発言の根拠は、全国の自治体に問い合わせをしたところ、すべて完了との回答であったということではないかと推定しています。事実はどうかというと、65歳以上の高齢者に対する7月31日時点での接種割合は1回目が87.3%、2回目が78.9%でした。その後時間が経過し、9月11日時点では1回目が89.7%、2回目が88.0%になりました。接種数でみるとこの間に1回目は86万回、2回目は326万回増えたことになります。普通に考えると、これだけ接種回数が増えたのであれば、7月31日までに完了していなかったのではないかとなるのですが、それほど事態は簡単ではないようです。

データは首相官邸ホームページ、厚生労働省ホームページなどから引用して作成

というのは、「完了」の意味するところが、時として「対象者の8割に接種する」または「対象者分のワクチンを供給し終わる」ということになっているのです。少なくとも私の周囲にも8月以降で接種した高齢者はたくさんいます。お役所の仕事としては、予定した人数のワクチンを用意し、供給すれば仕事が「完了」となるのでしょうが、国民側からみれば、接種が終わらなければ「完了」にはなりません。そのあたりのギャップがあるように思えてなりません。

さきほど「対象者の8割」という言葉が出てきました。これも問題となるポイントです。菅総理は8月の記者会見では「対象となる年代の希望者すべてに必要なワクチンを10月の初めまでに供給する」と言っていましたが、最近では「対象となる年代の8割にあたるワクチンを供給する」と言っているようです。厚労省のホームページでは、供給計画では、はっきりと「供給予定は対象年代の8割」と書いてあります。「対象となる年代の8割」と「対象となる年代の希望者すべて」は明らかに違うように思います。

残念ながら、「どのくらいの人がワクチン接種を希望しているのか」については最近の調査結果が見当たりません。今年の前半の調査では、せいぜい60%前半の人が接種希望という結果が散見されます。おそらくこうした結果を受けて対象年代の8割を用意すれば足りるという目論見だったと思いますが、はたしてそれは変っていないのでしょうか?

肝心の供給状況から計算してみると、ファイザー・モデルナあわせて、確かに10月初め(9月末)までに、12歳以上の国民の約8割が2回接種できるだけのワクチンが供給されることは確認できました。しかし、次に頭に浮かぶには本当に8割あれば希望者のすべてが接種できることが担保されているのか、ということです。かつてはワクチンに対し、比較的懐疑的であった若年層も考え方が変化しきているように感じています。いまだに予約のとれない人たちはたくさんいると思われます。供給すれば仕事が終わりではなく、希望者の最後の一人が接種し終わって仕事が完了という気持ちで対応してほしいと思います。