FDAに承認されたアルツハイマー症治療薬「アデュカヌマブ」について

昨日、日本のエーザイとアメリカBiogen社が申請していたアルツハイマー症治療薬「アデュカヌマブ」がFDAによりアルツハイマー症の治療薬として承認されていうニュースが報道されました。「アデュカヌマブ」は、アルツハイマー症の原因物質のアミロイドβを減少させることができるため、発症や進行を遅らせるといった効果しかなかったこえまでの治療薬に比べて、病気の根本原因から治癒することのできる画期的な薬ということです。今日はこの「アデュカヌマブ」の概要をご紹介します。

この薬の概要を、エーザイのサイトにある「開発品紹介」コーナーから引用してご紹介します。

専門用語が多く、難解な内容ですが要は、”ヒトのB細胞に由来する「モノクローナル抗体」であり「アミロイドβ」を標的として開発された”というのが概要です。これらを解説する前に、まず「アルツハイマー症」の原因と考えられていることをご紹介します。

特殊なたんぱく質である「アミロイドβ」が不溶繊維などとともに、脳内に蓄積していき、神経を損傷しさらには脳を委縮させることが原因と言われています。「アデュカヌマブ」は、この「アミロイドβ」を減少させる効果があるため根本治癒が期待される治療薬なのです。それでは「アミロイドβ」を減少させる「モノクローナル抗体」とはどんなものなのでしょうか?中外製薬のサイトからご紹介します。わかりやすいイラスト風解説です。

わかりやすい解説なので、追加の説明は不要かとおもいますが、要は「モノクローナル抗体」とは、「ヒトのB細胞がつくる特定物質を対象とした純粋で混じりけのない抗体をコピーしたものであり、この場合の特定物質は脳内蓄積物であるアミロイドβ類である。」ということです。 

ということなのですが、「アデュカヌマブ」について調べようと思った理由は単純で、どんな構造をしたものか知りたかったことなのですが、この情報はなかなか見つかりませんでした。ところがなんと最終的にはWikipediaで見つけることができました。

このアルツハイマー症治療薬「アデュカヌマブ」の有効成分である「アデュカヌマブ・アブナ」とは、分子量145909、その化学式はなんと  C6472H10028N1740O2014S46 の巨大分子です。分子量から推定するとアミノ酸が1000個以上連なったものではないかと思われます。さきほど巨大分子と書きましたが、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質のアミノ酸数がやはり1000を超えていましたので、生体内物質としては普通なのかもしれません。化学式まで存在するということは、アミノ酸配列まで明らかになっているはずですが、そこまでの情報は見つけることができませんでした。ちなみにこの物質には1384260-65-4というCAS NO.が付けられています。

この「アデュカヌマブ」ですが、実は今回の承認はかなりの難産で、治験結果が思わしくなく途中で中断され諦めかけた時期もあったようですが、用量を増やして効果が認められ今回の承認に繋がったようです。ただし、まだ本当に効果が立証されたと認定されたわけではなく、薬として承認するが効果がないことが明らかになった場合には承認を取り消すとされています。加えて1年間の投薬に要する費用が600万円とも1000万円とも言われており、安心して万民が使用できる薬になるにはまだ時間がかかるのかもしれません。

さはさりながら、近頃物忘れがひどくなってきた世代の一人として朗報には違いなく期待をもって見守りたいと思います。