内閣府の月例経済報告5月の内容紹介その2

昨日の続きを書きます。今日もそれぞれの項目がどのような「まとめ」になっているかを示す表をまず載せておきますので、グラフと見比べていただければと思います。

今日は輸出・輸入・貿易収支からです。

左が輸出の推移、右が輸入の推移です。コロナ禍の影響はかなり深刻で両者に大きな影響を及ぼしています。地域別にみるとアメリカとの輸出入が他の地域よりも大きな影響を受けています。ついでEUとの輸出入が影響を受け、アジアとの輸出入への影響は比較的軽微であることがわかります。輸出入とも回復基調にありますが、まだコロナ禍前の水準までには回復しきれていません。次は製造業の状況です。

鉱工業も回復基調にあるものの、まだコロナ禍以前には回復していないという状況は同じです。この図が他のグラフと違うのは右目盛りが予測値であることで、4月5月の予測値は130-140という大変高い値になっています。この数値は一貫して2015年を100とした数値なので、一挙にここまで回復するとは考えにくいのですが、さあどうなるでしょうか、注目していきたいと思います。数値が前年同期比であれば、昨年4月5月が最大の落ち込み時期でしたので130-140という数字が現実性があるのですが・・さらに詳しく業種別の推移をみることにします。

左が生産用機械、電子部品・デバイス、輸送機械(車)右が、化学工業、電機・情報通信機械、鉄鋼非鉄金属です。この業種別動向については、日銀短観や日塗工の業況観測アンケートの記事の中で何度かご紹介していますので、繰り返しになりますが、自動車や鉄鋼・非鉄金属は急激な下落のあとV字回復するもまだコロナ禍以前には戻らず、生産用機械、電子部品・デバイス、化学がこの中では比較的軽微な影響であるが、これらのコロナ禍以前には戻っていない、というところでしょうか? 次は企業の収益性です。

企業全体の経常利益額の推移については、2020年の12月までのデータしかありませんが、ざっと見てコロナ禍の前に比べて半分くらいになったというところでしょうか? 左の労働分配率のグラフは、ちょうど経常利益額のグラフを上下反転させたような形になっています。これは労務費がほぼ一定であることを表していると思われます。

今日の最後に倒産件数のグラフをご紹介します。

これは実に意外なグラフでした。コロナ禍での倒産は劇的に減っているのです。この理由についてはいろいろ言われていますが、整理すると次のようになります。まず第1次緊急事態宣言時にきわめて少なくなったのは、一時的に増えた倒産の手続きが追い付かなかったことによるという指摘があります。またコロナ禍の期間を通じて倒産が少なくなった理由については、①政府の支援策によりとりあえず生き延びた企業が多かったこと②倒産ではなく、休業あるいは廃業を選択した事業者が多かったこと が挙げられており、①に対しては、信用保証協会の保証件数や金融機関からの貸出額の急増、②については休・廃業届の急増が証拠として挙げられていました。表向きの数字では表れないところがあるということのようです。さらには、特別に無利子無担保で受けた融資の返済がそろそろ始まるケースが多いため資金繰りに窮するところが増えるのではという予想もあるようです。この続きは来週にします。