国内自動車メーカーの3月生産状況・・大幅プラスの前年比が素直に喜べない?

4月28日に国内自動車メーカーから3月および2020年度の生産状況が発表になりました。いつものように生産台数ならびにその前年比について、メーカーごとにグラフにしてみました。トヨタ、日産、ホンダの3社からです。上段が国内、下段が日本を含む世界です。

この3社の中では、ホンダの国内がやや苦戦していますが、海外生産についてはいずれも極めて好調です。回復が遅れていた日産も完全に確固たる回復路線を堅持しています。ただしこの前年比の数値は、昨年の3月がすでに生産の大幅な落ち込み突入していたことを忘れてはなりません。後述するように前々年比でみると3月の大幅超過もそれほどでもないことがわかります。続いてスバル、マツダ、三菱です。

この3社の中ではスバルが今年に入り苦戦していますが、これは半導体不足によるものと自らが解説しています。マツダは、国内が前年になかなか追いつきませんでしたがようやく3月で追いつきました。世界生産では前年並みを半年以上堅持しています。三菱は回復が遅れていましたが、ようやく前年比なみに戻りつつあります。ただし、前年比並みといっても前年がすでにコロナによる生産台数低下の時期にありますので手放しではよろこべません。最後にダイハツとスズキです。

スズキは最も回復が早かった自動車メーカーのひとつであり、好調を堅持しています。ダイハツも主力である国内は比較的順調に推移しています。

3月で一応2020年度が終わりましたので、2020年度(2020年4月~2021年3月まで)の生産台数とその前年度比の発表もありました。それらの数値をグラフにしてみました。

いずれもさすがに前年度比はマイナスとなりましたが、その程度には差があります。国内生産では、前年度比9割以上がスズキとダイハツ、ついで9割弱のトヨタ、8割を下回ったスバルとマツダ、7割を下回った日産、6割を下回った三菱という順でした。海外も含めた全体では、9割を超えたマツダ、ホンダ、トヨタ、9割を下回ったスズキとダイハツ、7割を下回った日産、かろうじて6割を超えた三菱という順でした。

さて、前述した前々年比ですが、以下のようになります。前年同月比では大幅な超過であっても実際のところ、前前年度比ではほとんどがマイナスになってしまいます。

特に昨年の4月5月は最も落ち込みの大きかった時期ですので、今後しばらくは前年同月比とともに前々年同月比をみないと、はたして平年値と比べてどうかということが正しく判断できないものと思われます。感染症の再々拡大が大いに懸念されるなか、並行して前前年度比にも注目していきます。