小池知事の「こないでください」要請

昨日もご紹介しましたように、毎週週末の1都3県の人出をご紹介しています。どう見ても東京都と周囲の3県を比べると、人出の様子は感染前に比べて東京都の方が抑制されています。さらに人口あたりの感染者数を見ても関東では東京都が一番高くなっています。こうした状況が他県から流入する人流による密状態に起因するものだと言うのであればわからなくもありませんが、小池知事の要請は逆じゃあないのかという気もしています。つまり黒岩知事が東京都民に「神奈川県にはこないでください」というならまだしも、感染の多い東京都の知事が他県の人にくるなというのは変ではないかという気がするものですから、アグープのデータを並べて皆さんにみていただこうと思いました。アグープが提供している各地点毎の2020年1月1日から2021年4月18日までの毎日の人出のグラフを一挙に並べます。グラフでは平日の人出はグレー縦線、休日の人出はオレンジ縦線で示されています。まず周囲の3県のデータからです。

それぞれポイントとなる4つの時点を三角矢印で横軸に示してあります。青い点線は、感染拡大前の平均と思われる人出を示しています。これら12地点の中で感染拡大前から見て明らかに人出が減ったというのは、大宮駅と横浜駅、関内駅くらいで、あとの地点では明確に人出が抑制されているとは言い難い状況です。

次に東京の18地点です。

さきほどの周辺3県の地点と比べると昨年3月以降の東京の人出はかなり抑制されています。特に人出が大幅減となっているビジネス街を背後に抱える東京駅、新橋駅、品川駅だけでなく、羽田空港、渋谷センター街、さらには歌舞伎町やお台場でも人出は抑制されていることがわかります。すなわち東京への人流は、感染が拡大した昨年3月以降、周囲の県に比べてかなり抑制されてきたことをまず認識してもらいたい思います。このような状況でも感染が拡大しているので、さらに減らしたいという気持ちはわかりますが、さらに抑制を要請する前に、東京への通勤や外出に配慮してもらっていることに感謝の意を表するべきではないでしょうか?

吉祥寺や浅草、池袋など感染前との人出の差がさほどでもない地点もありますが、それらは地域や沿線の人たちの日常的な買い物の場でもあるように思えます。つまり周辺の県からわざわざ出かけるような場所ではないのではないかということです。

周辺県民の理解と協力を得たいのであれば、東京都の多くの地点で、都内への通勤者がかなりの割合でリモートワークをしていることや、周辺地からの外出抑制が都心に出かけることへの配慮の賜物であるとの理解と感謝を示した上で「こないでください」要請をすべきではないかと思う次第です。