イスラエルにおけるワクチン接種の効果を検証する

実は先週、以下の原稿を用意していましたが、さらに価値のあるニュースがあります。週末にファイザー製薬のワクチンの効果について新しい情報が2つありました。ひとつ目は、医学誌「ランセット」に掲載された論文で、ワクチン1回接種でも接種後1-2週間での感染防止効果が85%(無症状も含めれば75%)あると報告されたこと、二つ目は、イスラエルの事例を検証した最新結果では、2回接種後2週間での感染予防効果が95.8%であったということです。イスラエルでは、1月末までに170万人以上が2回接種を完了していますので、信頼性の高いデータと言えます。いずれの結果も期待通りの効果と言えそうです。それでは、さらに興味のある方は、是非以下もお読みください。

世界で最もワクチン接種が進んでいると言われるイスラエルにおいて、肝心の感染抑制はどのような結果なのでしょうか?今月はじめにそのイスラエルのワクチン接種の効果についてあいつで報道がありましたが、94%抑制というように数字の発表のみで詳しい結果はないケースがほとんどでした。今日はできるだけ数字にこだわってイスラエルのワクチンの効果を検証したいと思います。

感染抑制率に関して、被験者数と感染者数を示して報道していたのはNHKだけでした。その内容をNHKのサイトの数字を使って説明します。

被験者は、2回のワクチンを接種してから1週間以上経過した人523,000人とワクチンを接種していない人628,000人の二つの集団です。年齢や性別など構成要素は同じです。ワクチンを接種した方の集団において感染者は544人でした。一方ワクチン未接種の集団の感染者は18,435人でした。感染抑制率は、ワクチン未接種の集団の感染率を基準にして、ワクチン接種集団の感染者がどれだけ抑制できたかを計算しますので、上図のようになり、感染抑制率96.5%と出ました。

ところが、NHKでは感染抑制効果は約93%と報道していました。他のメディアも感染抑制効果は94%、重症化抑制効果は92%と判で押したように同じ数値でした。まあ、数値はともかく、ワクチンの接種と未接種で大きく感染率が異なることは理解していただけると思います。

このほかでは、日経のサイトでワクチン接種により新規感染者が減少に転じたという内容がありました。

ちょうど2回目のワクチン接種開始から新規感染者数が減少に転じています。グラフ上部に、ワクチン感染者割合のグラフが表示されています。

さらにもう一つ、ワクチンの効果を示すデータとしてワイツマン研究所の結果を紹介している朝日新聞のサイトからご紹介します。

基本的には先ほどのグラフと同じことなのですが、こちらの方は、1回目と2回目の接種開始時期、とロックダウンの開始時期も載せています。さらに60歳以上と60歳未満を分けて表示してあります。この年齢区分のデータが重要なのです。というのは、60歳以上の接種率は78%であるのに対し、60歳未満では接種率が22%に過ぎないからです。グラフでは感染者、入院者とも2回接種が始まった直後から減少が始まっています。つまり同時期に実施しているロックダウンの影響は排除でき、ワクチンの効果は認められるということです。

イスラエルのワクチンはファイザー社のものです。すでに始まった日本のワクチンも当面ファイザー社のものを使用するようですので、イスラエルの結果は、ワクチンへの期待と信頼を高めるニュースだと思われます。