中小企業ほど景気が悪い・・は本当か?

過去のブログを整理して、この問題に目が留まりました。先日もご紹介した内閣府の法人企業景況予測調査の「当期」のBSI値(前四半期と比較しての「上昇」-「下降」)を使ってこの15年ほどの景況感で実証してみることにします。

通常大企業と言えば、製造業であれば資本金3億円、従業員300人以上というのが中小企業の定義から逆算した大企業の条件となりますが、この調査ではそれとは少し異なり以下の表の定義となっています。

金融・保険業を除く

それでは早速、規模別景況感をみてみましょう。まずは自社の景況感です。

これらの3つのグラフはいずれも自社の景況判断についてのBSI値の推移を表しており、上から全産業、製造業、非製造業です。それぞれ3本ずつ線がありますが、大企業、中堅企業、中小企業を表しています。多少の差はあれ、この3つのグラフで、大企業、中堅企業、中小企業の順位が変わることはありません。常に上から大企業、中堅企業、中小企業の順番になっています。もう少し詳しく見ていくと、大企業と中堅企業が重なるところはかなりありますが、中小企業は常にこの両者から離れて下方に位置しています。

この15年間で、自社の景況感がプラスであった期間がどのくらいあったのかという数字を全産業について紹介すると、大企業59.1%、中堅企業33.3%、中小企業1.5%でした。つまりこの15年間、中小企業はほぼずっと景況感がマイナスだったということになります。

次に、自社ではなく、国内全体の景況感について見てみましょう。ここでは代表として全産業の図のみ示します。(製造業も非製造業も傾向は同じでした)

国内全体に対する景況感を見ても基本的には自社の景況感と変わりません。大企業、中堅企業、中小企業の位置関係もほとんど同じです。また景況感がプラスであった期間の割合も、大企業59.1%、中堅企業47.0%、中小企業10.6%でした。

2018年秋まで71ヶ月も好景気が継続し、戦後最長と言われていましたが、日本の企業数の大多数をしめる中小企業は、この15年間のうちわずか1年半しか好景気を実感できなかったということになるのではないでしょうか?

菅内閣になってから、中小企業の再編のための施策が検討されているとのニュースが流れましたが、こうした景況感のギャップを見ると慎重に進めてほしいと願います。