日銀短観 景況感は11年ぶりの低水準!の詳細

日銀短観「6月」分が昨日発表されました。景況感はリーマンショック後の2009年以来11年ぶりの低水準となり、先行きの見通しも決して明るくないなど、現在の状況についての経営者の厳しい見方が示されました。

概要を簡単に図示すると以下のようになります。

左図は、全規模におけるDI(Diffusion Index:「業況が良い」パーセンテージからから「業況が悪い」パーセンテージを引いた数値)を示しています。3月の調査結果から製造業・非製造業とも大幅に悪化しています。

右図は規模別のDIで、小規模ほど景況感は悪く、すべての規模で製造業の方が非製造業よりも景況感が悪くなっています。ここまで、新聞やテレビで報道されている通りです。

ここから先、例によって、2008-2009年のリーマンショックの際の動向と今回のコロナ禍の動向を業種別に比較してみました。おそらくここまでの詳細資料はどこにも報道されていないことと思います。比較的塗料に関連の深い、または、身近な業種について起点前後の中小企業の業種別DI値の推移を図で示します。起点は、リーマンショックは2008年9月調査結果を、コロナ禍は2019年12月調査結果をとりました。横軸は起点からの経過月数です。コロナ禍の9か月後の値は今回調査における見込み値です。まずは製造業からご紹介します。

例によって縦軸はすべて同じにしてあります。少し意外だったのは、コロナ禍よりもリーマン時の景況感の方が悪い業種が多かったことです。明らかにコロナの方が悪いのは造船・重機等くらいで、明らかにコロナの方が良いのは、窯業・土石、木材・木製品、化学、石油・石炭製品などかなりの数にのぼります。リーマン時と似ている業種は自動車をはじめ、鉄鋼、非鉄金属、金属製品などがあり、製造業全体では、やはりリーマン時によく似たDIの推移となっています。

この先3か月の見通しでみれば、さらに下を向くという業種と回復するという業種に分かれており、すくなくとも全業種そろってV字回復とはいかないようです。次に非製造業をみます。

非製造業は全般に、今回の景況感はリーマン時に比べて悪くありません。しいて言えば飲食・宿泊の悪さは圧倒的ですが、それ以外はリーマン時の方がコロナ禍よりも悪いことがわかります。それをうけて非製造業全体でもリーマン時の方が悪くなっています。ただ、先行きの見通しについては、製造業よりも向いている先が下の方向です。

景況感はあくまで経営者の主観ですが、その主観の根幹には企業業績という具体的な数値があるはずであり、これまで経済動向を示す指標として長い間使用されてきた経過があります。今回業種別に調べてみて、意外にそれほど悪くないと捉えている業種もあることがわかりました。ただ、いずれにせよまだ本回復への道のりはこの先はるかに長いようです。東京の新たな感染者が3桁との情報も入りました。まずは感染が再拡大しないことを心から祈ります。