コロナショックの経済影響 自動車産業はじめ各産業分野への影響

(お詫びと訂正  本項5月12日にアップいたしましたが、リーマンショック前後の国内自動車の生産と販売台数のグラフを誤って張り付けてしまいました。本日(5月14日)に正しいものに差し替えました。すでにご覧になった方々にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。)

 コロナショックの影響はすでに自動車の販売に大きな影響を及ぼしています。日本の自動車メーカーの世界での生産・販売台数と国内の販売台数についての統計数値をご紹介します。

日本の自動車メーカーの世界と国内の販売台数

 左の表はBloombergの4月29日の記事で、日本の自動車メーカーの3月における世界での生産・販売台数の前年比です。いずれも大幅な落ち込みとなっています。3月はすでに欧米では非常事態宣言が出されており、外出制限令が出されていましたので、当然とも言えますが、それにしても大幅な減少です。

 一方右の表は、国内における4月の国内販売台数の車種別前年比の表で、この中には軽自動車は含みません。全体として前年比25.5%のマイナスでした。これについて、5月1日付の毎日新聞では、「全体で172,138台であり、2009年(リーマンショック後)に次ぐ過去3番目の水準に落ち込んだ。メーカー別ではダイハツ以外前年割れで、特に三菱(-65.4%)、スバル(-56.0%)の落ち込みが大きい」と報じています。

 また同紙では、軽自動車についても報じており、「軽自動車の販売は、98,255台であり、 前年比33.5%のマイナス、東日本大震災(2011年)に次ぐ過去2番目の低レベルであり、主要8社がすべて前年割れとなった。3月は7.6%のマイナスと持ちこたえていたが、5月も厳しい状況が続くと予想される」としています。

 以上は販売台数についての情報でしたが、実は塗料製造業については少し気になるデータがあります。それは国内生産台数と販売台数の関係です。下の図はリーマンショック前後の国内販売台数と生産台数の推移を示したものです。2008年9月に端を発したリーマンショックですが、その影響は同年の秋以降販売・生産に影響を与え、2009年秋まで続きました。

自動車工業会のホームページ データベースから作図

 しかし、販売が2010年には2008年と同じ水準に戻ったのに比べ、生産の影響はその後も尾を引き、2010年にも2008年の水準には回復しませんでした。これは海外販売分についての現地生産化が進んだと考えられますが。国内での自動車生産が縮小したことには変わりありません。今回同様なことが起きる可能性は低いとしても、注意しておく必要があるものと思われます。

 以上、コロナショックの自動車産業に与える影響を見てきました。自動車産業への影響はまだ長期間継続すると思われますので、全容の予測は難しいのですが、リーマンショックでも1年ほど影響があり、特に販売よりも生産への影響が大きかったことがわかりました。今回も3月、4月の販売台数から見て、それと同じかそれ以上の影響があるのではと懸念されます。

 建築、建設関係ですが、ネットではゼネコンへの影響が紹介されていました。5月2日のビジネス+ITによれば、公共工事に対しての国交省の対応方針は、4月16日の通達「受注者から、一時中断の申し出があれば、できるだけ応じる」に象徴されるように、工事中止に積極的ではなくゼネコン側も主体的に工事を中断することはなかったようです。しかし4月13日に清水建設の社員から死者を含む感染者が出たことの公表から流れが変わり、大手・準大手の多くが工事を一時的に中断する事態となりました。その後5月8日のNEWSWEBニュースによれば、順次工事再開の方針となり、鹿島建設は7日から、清水建設、大成建設、竹中工務店は11日から、工事再開をはじめるとのことです。ただし、新築物件における塗料の使用は限定的であり、これはあくまで参考情報として紹介しています。

 建築資材関係はすでに2月頃より中国からの部品調達の遅れから、納期遅延が報告されていました。TOTO、LIXIL、クリナップなどの企業サイトには商品の納期に関する情報が掲載されており、5月9日時点でみても、かなりの商品について納期遅延が解消されていないようです。リフォーム関係の進捗の遅延が起きていると思われ、塗装工事へ影響が心配されます。

 このほかでは、日本製鉄の決算発表がある意味衝撃的に感じました。これもNEWSWEBニュース5月8日からの情報です。「2019年度は4315億円の赤字」ということですが、この中には、4000億円の資産価値見直しを含んでいますので、実質赤字幅はそれほどでもないと思われます。それよりも年間の生産量が、8000万トンを下回る見通しであり、リーマンショック時9644万トンをも大きく下回る数値であることは衝撃的でした。このため、廃止予定の2基の高炉廃止を早めると報じられていました。

明日は、これまでの情報を踏まえて塗料産業への影響をご紹介します。