桜開花! 開花予想式の的中度合を検証する

 3月14日土曜日に、靖国神社の標本木の桜(ソメイヨシノ)に5輪以上の花が開き、気象庁は桜の開花宣言を行い。史上最も早い開花となりました。冷たい雨の中での開花宣言となりましたが、今日は、先日ご紹介した開花時期を予想するための、いわゆる開花予想式の的中率を今年の気象データをもとに検証してみたいと思います。

先日ご紹介した開花予想式とその検証結果は以下の四つです。

①2月1日を基準日とし日平均気温の合計が400を超えた日 ⇒ 3月16日

②2月4日を基準日とし日平均気温の合計が360を超えた日 ⇒ 3月14日

③2月1日を基準日とし日最高気温の合計が600を超えた日 ⇒ 3月15日

④魔法式exp(Ea*(T-Ts))/(R*T*Ts)の合計が23.8を超えた日 ⇒ 3月14日

※検証の使用した気象データは気象庁のサイトのものを利用しました。魔法式の基準日(休眠打破の翌日)は、正しくは休眠打破の条件である低温域の積算時間で決定すべきなのですが、あいにく計算法が調べきれなかったので2月1日とし、魔法式の中の定数Eaは70KJ/mol、Tsは15℃(288.15K)も下記参考サイトの情報から引用しました。 http://www1.ous.ac.jp/garden/kenkyuhoukoku/13/Naturalistae13-1-7.pdf

 結果は、①と④が的中でしたが、ここで最も重要なことは、どれを使用してもほぼ的中していたということではないかと思います。であれば、専門家は別にして、一般人が開花予想するのであれば、簡単な①~③を使えばよいということになるのではないでしょうか? これなら、2月の初めから毎日の平均気温か最高気温を積算していき、近くなったら週間予報の数値をもとに素人でも開花予想ができそうです。でも①~④の式においてどんなところで差が出たのでしょうか?

これを考えるために、専門家が使用しているという④の魔法式と①②の日平均気温積算方法における各温度の目標値への寄与(目標値に対しその温度では何%目標値に近づけるか?)を比べてみました。結果が下のグラフです。

 ここで魔法式は指数関数であり、①と②は一次式です。①と②をそれぞれ魔法式と比較すると次のようになります。①の場合(目標値400)は、8~11℃では魔法式とよく一致していますが、それ以外の領域では魔法式に比べて小さな値をとっています。②の場合(目標値360)には、最初魔法式よりも小さな値ですが、7℃で逆転しあとは15℃付近まで魔法式よりも大きな値をとることがわかります。これはいい悪いではなく、近似の問題ですので、言えることは、①の場合には、魔法式の予想値よりも(起算日が同じであれば)常に遅れた予想になるということです。そして②の場合には、魔法式と比べ、寒い日が多い年は遅れ気味の予想となり、温かい日が多い年は早めの予想になりやすいということがわかります。これでそれぞれの式の特徴がわかりましたので、これをもとに予想を補正することもできそうです。

 桜の開花予想式を例にとって検証しましたが、仮説と検証、これは実験における基本だと思います。しかし実験に限らず仕事を行うときには、必ず仮説をたてること、そして結果がでたらその仮説が正しかったどうか検証すること、さらに仮説が正しくなかった場合にはどこが違っていたかを考えることはとても有用なやり方です。塗料製造という科学に基づく実業を生業とするものとして常に心がけたいものだと思っています。